2010年06月27日

企業のCSR――寄付の額や率を明かさないのは不誠実だ

これまで、いろいろな企業のCSR活動を見てきた。その中で、コーズマーケティングと呼ばれる活動も目立ってきた。

コーズマーケティングとは何か。おさらいしてみよう。

(以下、WISDOMビジネス用語辞典から引用)
企業の社会問題や環境問題などへの積極的な取り組みを対外的にアピールすることで顧客の興味を喚起し、利益の獲得を目指すマーケティング手法。社会的貢献とビジネス目標の達成を同時に実現しようという考え方。別名「コーズリレーティッドマーケティング」とも呼ばれ、米国アメリカンエクスプレス社が展開した「自由の女神修復キャンペーン」(クレジットカード利用1回ごとに、1セントを寄付するもの)が起源とされる。近年では、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を訴えるピンクリボン活動への支援を表明する企業が、自社の商品をピンクに彩り、それが驚異的な売上を記録するといった成功例がある。コーズマーケティングは、最終的に顧客ニーズを満たし利益を上げることに主軸を置いており、この点で、社会にとっての利益を考慮して活動すべきとする社会志向のマーケティング(ソーシャルマーケティング)とは区別される。(引用終わり)
  
コーズマーケティング的なものも、そうではないものにしても、最近の社会貢献活動の中には、「売上高の一部を寄付します」という表現が目立つ。

だが、寄付の額を明かさないのは、消費者や市民から見れば、不誠実のそしりを免れない。

有名なボルビックの 1L for 10Lにしても、1本あたりの寄付の額や、売上高に占める割合を明らかにしていない。

当然、ユーザーの中には不信感が芽生えている。あるブログにはこんな書き込みがあった。
http://zarutoro.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_0135.html

(以下引用)
正確な数字を出すために、ボルヴィックの活動報告から数字を拾ってみる。「マリ共和国に生まれる水の量は約7億1200万リットル」
これを10で割ればボルヴィックがどれだけの量売れたか分かる。
「ダノンからの寄付金は約4200万円」
これをボルヴィックの販売量で割ると、ボルヴィック1リットルあたりの寄付金の額が分かる。

計算してみると、ボルヴィック1リットルあたりの寄付金は、58銭9分ぐらい(あってますか?)。
1.5リットルのボトルを買うと、1円弱が寄付される計算になる。
ボトル1本あたりの店頭価格は200円弱ぐらいなので、金額ベースだと0.5%ぐらい。
なんか思ったよりも少ない感じがしないだろうか。
1リットルで10リットルって言うと、景気いい感じがするけどね。
数字の見せ方がうまいって言うのかな。(引用終わり)

また、ボルビックのサイトにも、下記のFAQの記述があった。
http://www.volvic.co.jp/csr/1lfor10l/faq_index.html

Q:リットル表示ではなく、なぜ1ボトルあたりの寄付金の額を公表しないのですか?

A:本プログラムは、消費者に対してアフリカの水と衛生に関する問題への関心と理解を高めることも目標の一つです。支援プロジェクトでは、清潔で安全な水を提供するほか、水と衛生に関する教育、井戸のメンテナンスやトレーニングなどが含まれており、1Lあたりの支援額を算出することは適切でないと考えています。ドイツ・フランスでのプログラムと同様に、 消費者の皆様にプログラムに参加頂いた際の貢献が明確に理解いただけるように、「1L for 10L」プログラムという形で、皆さんにお伝えすることにしました。

この回答はやはり、苦しい。
水と衛生に関する教育、井戸のメンテナンスやトレーニングなどを入れた寄付額を発表すれば良いだけだ。それが非公表の理由には絶対にならない。(あるいは、上記の額を抜いた金額でも良い)

企業のCSRにしろ、コーズマーケティングにしろ、市民や消費者の共感や善意、問題意識なしには成立しない。

そして、市民や消費者が不誠実と感じた瞬間、企業に対する共感が反感に転じる。これはとても怖いことだ。

いずれにしても、企業が寄付や社会貢献活動、コーズマーケティングをする場合、寄付の額や売上高に占める割合を明らかにすることは、企業が誠実であるための最低限の必要条件である。

また、批判を受けたからといって、その活動から撤退するのはさらに問題を大きくしかねない。助けを必要とする人たちが置き去りにされかねないからだ。












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2010年06月18日

サッカー大国にはなぜか環境大国が多い

ワールドカップたけなわだが、今年の出場国をぼんやり見ていて、なぜかサッカーが強い国は環境大国であることに気が付いた。

その筆頭はドイツだが、自然エネルギーの推進やリサイクルの徹底を始めとして、その環境政策は世界に影響を及ぼしている。そしてサッカーが強いのは言うまでもない。

イギリスはCO2に対する課徴金で有名だし、スペインは太陽光発電で頑張っている。フランスも環境政策を強化している。

ではブラジルはどうか。環境大国ではないではないか、と言われそうだが、実はこんな記事がある。

(引用)
世界17カ国の消費者の環境意識・行動調査「グリーンデックス2009」
日本は15位 インドとブラジルがトップ 最下位は米国
2009年5月14日 ――米国ナショナル ジオグラフィック協会と国際世論調査機関グローブスキャンは、消費者の環境に関する行動を評価・比較する「グリーンデックス(Greendex)2009:消費者の選択と環境――国際比較調査」を行い、その結果をまとめた。
(引用終わり)

この調査は「住宅」「交通」「食品」「消費財」という4つの部門における65の指標によって消費者の行動を総合的に評価するものだが、そのトップが、なんとブラジルだったのだ。

ここで、昨日と同様、オルタナ・プレミアムの清水正巳・日本経済新聞編集委員の記事を改めて引用したい。

(以下、引用)
どんな分野でも国際的な枠組みづくりで日本の最大の弱点といえるのは、制度設計能力に乏しいことだ。ほかの先進国に比べ、理念を示して目標達成に向かう具体的な制度の提案力に欠け、欧米追随か、細部を若干修正させて貢献したように見せかけることが多い。
(引用終わり)

その最たるものが環境問題という論調だ。
排出量取引、CDMなどは、海外の仕組みを取り入れて、日本型に修正したという典型だ。

上の文章の一部を読み替えると、そのままサッカーにも当てはまる。

制度設計能力 ⇒ サッカーの試合での組み立て
目標達成   ⇒ ゴール(得点をあげること)
提案力    ⇒ シュート力
欧米追随   ⇒ サッカーでも同じ

サッカーにしても、政治・経済の枠組みづくりにしても、
日本人は「ゼロからの組み立て」、つまり創造力と設計力が弱い。
その代わり、最初からある何かの細部を修正するなど、細かな立案と行動力なら得意だ。

気候変動や地球温暖化問題も、まさに、ゼロからの組み立てが必要だった。それに長じたのがイギリスで、世界の排出量取引の仕組みを広めた。

世界はサッカーが強い国と野球が強い国に分けられる。
両方ともそこそこ強いのはメキシコくらいではないか。
韓国も日本もオーストラリアも、サッカーのトップレベルからは程遠い。

あえて断言すれば、サッカーがトップレベルの国は、環境政策にも長じている。
日本の環境政策も、カメルーンよりはましかも知れないが、オランダにもデンマークにも遠く及ばない。














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2010年06月17日

日本人の創造力・設計力は、FIFAランキングと同じくらい?

今日、オルタナ・プレミアム(8号)を配信した。

その中で、日本経済新聞の清水正巳編集委員の記事が秀逸だった。
清水さんは長らく環境問題を担当してこられた、大先輩の記者でもある。

タイトルは「できない理由探しより、挑む『気概』が必要」。

特に共感したのは下記の箇所だった。

どんな分野でも国際的な枠組みづくりで日本の最大の弱点といえるのは、制度設計能力に乏しいことだ。ほかの先進国に比べ、理念を示して目標達成に向かう具体的な制度の提案力に欠け、欧米追随か、細部を若干修正させて貢献したように見せかけることが多い。

その最たるものが環境問題という論調だ。
排出量取引、CDMなどは、海外の仕組みを取り入れて、日本型に修正したという典型だ。

ここでふと、上の文章の一部を読み替えると、そのまま日本のサッカーにも言えるのではないかと思った。

制度設計能力 ⇒ サッカーの試合での組み立て
目標達成   ⇒ ゴール(得点をあげること)
提案力    ⇒ シュート力
欧米追随   ⇒ サッカーでも同じ

サッカーにしても、政治・経済の枠組みづくりにしても、
日本人は「ゼロからの組み立て」、つまり創造力と設計力が弱い。
その代わり、最初からある何かの細部を修正するなど、細かな立案と行動力なら得意だ。

日本のGDPは長らく米国に次いで、世界第2位だった。
これは日本野球が米国についでずっと世界第2位だったことと似ている。

ところが、これがことサッカーになると、FIFAランキングの通り
世界40位程度だ。これは一人当たりGDPのランキングと近い。

この辺りが、細かな戦略と実行力での強さ(野球型)と、
「創造力」を駆使したゼロからの制度作り(サッカー型)に
類型化できるのではないか――と思った。

野球は強いがサッカーは弱い。これはまさに日本人の国民性を現している。








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2010年06月16日

マイ箸やマイバッグの次は――。国の制度づくりが大事。

一昨日、J−Castの大森千明編集長が僕のところ(オルタナ編集部)に取材に来られた。

地球温暖化対策の一環として、個人や家庭部門として何ができるかというテーマだった。

J−Castにはそのうち記事が載ると思うが、その前に、自分自身のアタマを整理するうえでも、一昨日何を答えたかをまとめておきたい。

僕の基本的な考えは「国の温暖化対策を個人の良心や精神運動に委ねてはいけない」である。

確かに日本のCO2排出量のうち、家庭部門は14%程度を占める。だから家庭部門が頑張らないとCO2の目標は達成できない、という論理を良く目にする。

これは明らかな誤りだ。

なぜなら、国民は国に対してCO2削減の義務を負ってはいないからだ。家庭部門のCO2削減は、個々人の良心に委ねるべきではない。

よくマイ箸やマイバッグの次は――という問いがあるが、精神運動ではCO2は減らないと思う。

もちろん、マイ箸やマイバッグの精神は崇高な存在であり、否定するものではない。僕も実践している。

ただ、CO2削減が目的であるなら、国民の金銭的なモチベーションを利用する仕組みのほうが遥かに効果的だ。

例えば、家庭ゴミ収集の有料化がある。

オルタナ6号「不毛なゴミ論争、もう止めよう」でも紹介したが、全国1840市区町村のうち、収集を有料化したのは53%の973団体。政令指定都市では北九州、福岡、京都の3市だけである。(ただし06年10月現在と数字は少々古いので今はもう少し増えているだろう)

ゴミが有料になれば、ゴミを減らそうと思うのが人の常である。(リバウンド効果というのもあるが)

あるいは、お隣韓国の「一回用品(使い捨て商品)禁止法」のように、使い捨てを法律で禁じるのも一手だ。

来年度から日本でも導入準備が進んでいる「地球温暖化対策税」にも期待したい。

これは別名「炭素税」であり、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料に含まれる炭素の量を基準に課税される。

これにより、おのずから家庭のコスト意識が高まる。太陽光発電、太陽熱利用、燃料電池などは今まで初期投資の高さが足かせだったが、エネルギー単価が上がればあがるほど、投資回収期間は短くなる。

いずれにしても、省エネで頑張った企業や家庭が報われ、そうでない企業や家庭は多くを支払う。そんな仕組みが大切だ。ちなみに、ドイツや英国では、環境税収は年金や福祉にも充てられている。低所得者の保護策だ。

残念ながら日本での環境税予定税率は、欧州の先進国に比べて遥かに低いが、それでも導入することに意味がある。

2008年の「第三次石油ショック」(ブラウン英元首相)が再来すれば、企業や家庭は、否が応でも、今まで以上の省エネに励まなければならない。

ガソリンが1リットル300円になれば、省エネどころではなく、経済活動や個人行動そのものの見直しも必要になってくる。

CO2の削減、脱化石燃料は、地球温暖化のためだけではなく、来るべき「ピークオイル」(石油資源の枯渇)に備えるという、米国でも欧州でもとっくに始まっている、当たり前の防衛行動に過ぎない。








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2010年06月13日

第1回NPO・社会的企業交流サロン

下記、東京工業大学の露木さんからのメール。
ここは昨年から社会企業家関連のセミナー、イベントをやっており、
特に露木さんはその仕掛け人(のような気がする)。

それから、なんといっても、Change the World とうたっているところもうれしい。

まだきちんとお話していないが、いつかお話してみたい。

6月22日は僕は行けないので、代わりに告知しますね。

(以下、引用)
東京工業大学大学院・国際的社会起業家養成プログラムコーディネーターを務めておりました露木真也子です。
今年度も引き続き、秋の公開講座「Change the World―日本の社会起業家が語る社会イノベーション」のコーディネートをさせていただく予定です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

先立ちまして、現在の本務先であります(株)公共経営・社会戦略研究所にて、来る6月22日(火)、下記のようなイベントを開催いたします。
まだ若干の空きがございますので、ご案内させていただきました。
ご関心のあるかたは、ふるってご参加ください。

また、今後このような案内がご不要のかたは、お手数でございますが折り返し一報くださいませ。

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第1回NPO・社会的企業交流サロン

「社会的企業の成長戦略」
〜 有機農業運動からオーガニックビジネスへ 〜


農薬や化学肥料を使用せず、環境への負荷が少ない有機農業。
そこから生まれる安全で安心なオーガニック食品の流通を拡げることは、環境保全型農業である有機農業の拡大につながります。

2010年度の第1回NPO・社会的企業交流サロンでは、特定非営利活動法人 アイフォーム・ジャパンの常任理事で、IFOAM 世界理事を務めておられる郡山昌也氏を講師に迎え、「社会的企業の成長戦略」をテーマに、1970年代から市民運動として環境保護活動に取り組んできた環境NPOが社会的企業として起業した、らでぃっしゅぼーや株式会社(2008年12月JASDAQ上場・2009年度年商228億円)等による日本のオーガニック市場の変遷と、2008年の時点で5兆円を超えて成長を続ける欧米のオーガニック市場について紹介します。

オーガニックビジネスの変遷に関する情報が、日本における「社会的企業の成長戦略」の議論の参考になることでしょう。


【日 時】 2010年6月22日(火) 18:30〜21:00

【場 所】 明治大学 経営学研究所(明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン7階)
 ※地図はこちらをご参照ください。
  ⇒ http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

【講師】 郡山 昌也(こおりやま まさや)さん
特定非営利活動法人アイフォーム・ジャパン常任理事/IFOAM 世界理事
国際NGO「国際有機農業運動連盟(IFOAM:アイフォーム)」世界理事。
有機・低農薬野菜と無添加食品の宅配会社、らでぃっしゅぼーや(株)環境保全型生産者団体Radix の会事務局。
ロンドン大学経済政治大学院(LSE)で「IFOAM のEUオーガニック政策過程への関与」について研究。
グローバル政治学修士号取得。早稲田大学大学院で「EUの農業環境政策と有機農業」について研究、学術修士号取得。
現在、同大学院博士課程に在籍。名古屋産業大学環境情報ビジネス学部 非常勤講師。

【講演概要】
 ◆社会的企業「らでぃっしゅぼーや」の変遷(※同業他社なども比較で紹介)
 ◆日本の有機農業運動とオーガニックビジネス
 ◆世界の有機認証制度とIFOAM(国際有機農業運動連盟)
 ◆欧米の有機農業運動とオーガニックビジネス
【参考URL】
 らでぃっしゅぼーや株式会社
 http://www.radishbo-ya.co.jp/
 特定非営利活動法人アイフォーム・ジャパン
 http://www.ifoam-japan.net
【参加費】 2,500円(軽食代込み)※当日現金にてお持ちください
【定 員】 20名(先着順)
【お申込み】 参加ご希望のかたは、(1)お名前、(2)ご所属・役職、(3)ご連絡先Eメールアドレス、(4)ご連絡先住所・電話番号/FAX番号、を明記の上、6月18日(金)までに、公社研事務局(info@pmssi.co.jp)までお申し込みください。
 公社研ホームページ(http://www1a.biglobe.ne.jp/pmssi)からもお申し込みいただけます。

《NPO・社会的企業交流サロン》は、明治大学非営利・公共経営研究所の協力を得て、(株)公共経営・社会戦略研究所(公社研)が主催しています。
(株)公共経営・社会戦略研究所(公社研)事務局
 E-mail: info@pmssi.co.jp
 Phone & Facsimile: 03-3296-1151
 東京都千代田区神田駿河台1-1
 アカデミーコモン7F ラボ1A
 〒101-8301
 http://www1a.biglobe.ne.jp/pmssi/
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2010年06月12日

ブリティッシュ・カウンシル、知床シンポジウム

今日は午後2時から、六本木アカデミーヒルズで開かれた、ブリティッシュ・カウンシルのE−idea(エコビジネスの発掘)表彰式へ。

第一位は竹の集成材でつくった食器を製造・販売するFUNFAMの藤岡恒行さんと、ECO QUOTIENTの川口才文さん。

QUOTIENTは聞き慣れない言葉かも知れないが、要はIQのQ。
つまり、知能指数ならぬ、「エコ能指数」という面白い造語だ。

今はi-phoneのアプリゲームを開発している段階だが、「日本の各企業の経営者たちのEQを計るツールにしては――」と助言。

ブリティッシュ・カウンシルは環境関連のイベントや表彰をたくさんやっている。英国の積極的な環境政策を反映している。

その後、横浜市の知床シンポジウム&物産展に。
斜里町の村田均町長と、羅臼町の脇紀美夫町長に挨拶。

斜里の村田町長から、ぜひオルタナさんも取材に来てくださいと誘われ、「行きます!」と約束してしまった(笑)。

そう言えば、オルタナ別冊グリーン天職バイブル(09年3月刊)では
知床ネイチャーオフィスさんを掲載した。知床とオルタナはないわけではないので、いつか行く予感。

その後、高橋茂人先生と痛飲。オルタナは「会社」より「社会」を目指すべきとの示唆を頂く。その通りです。




















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2010年06月09日

CSRで「キャンペーン」を仕掛ける危うさ

先日、アヴェダ・ジャパンのPRマネージャー、黒岩典子さんを講師に招いてセミナーを開いた。そこでアヴェダ哲学の片鱗に触れ、その思想の深さに驚かされた。

まずはアヴェダのミッション・ステートメントを紹介しよう。

アヴェダの使命、それは製品作りから社会還元まですべての活動を通じて、命あふれる私たちの地球を大切に守り続けていくことです。美の世界のみならずあらゆる世界のおいてリーダーシップと責任をもって環境保全の模範となる企業を目指します。

まさに環境と経営を同軸に置いた、力強いステートメントである。

黒岩さんによると、アヴェダには多くの「べき」「べからず」がある。

まず、社内でペットボトル飲料を飲む社員は一人もいないという。その代わり、みなマイボトルを使っている。

イベントを開く場所や宿泊先を選ぶ際にも、公共交通で容易に行ける場所を選ぶなど、環境に配慮した選び方が求められる。

パンフレットなどでは「環境に優しい」という表現はタブーだそうだ。あいまいで責任の所在が分かりにくいからだ。その代わり、「環境負荷が低い」などとの表現を使う。

キャンペーンという言葉も用いない。キャンペーンとは一時的なムーブメントに過ぎず、継続性が求められる環境・CSR活動にはそぐわないとの考えだ。

オルタナも全く同じ考えだ。

オルタナ11号の特集「ソーシャル」と「ブランド」を考える――で
下記の5つのポイントを指摘させて頂いた。

@献身的 すぐに見返りを求めない
A持続的 すぐに止めない
B独創的 同業他社と横並びではない
C本質的 表層をなぞらない
D全社的 特定の個人に頼らない

例えば、1Lの水が売れるたびにアフリカに10Lの水が供給されるように援助するキャンペーン。

もちろんその志は素晴らしいが、残念ながらこれは「通年」ではない。その意味で、あくまでキャンペーンであると言わざるを得ない。コンビニでペットボトルの水が売れる春から秋までに限定された活動だ。
今日付けのウェブサイトでは「プログラム期間:6月1日―8月31日」とあるので、最近はもっと短くなったのかもしれない。

冬にこの商品が売れてもアフリカに支援のお金は行かない。
企業側にも事情があると思うが、できれば通年のプログラムにしてもらいたい。

チョコレート1つの売り上げについて1円が途上国に寄付される「1チョコ for 1スマイル」も残念ながら「キャンペーン」の域を出ない。

日本のチョコレートの大半はガーナなど西アフリカから来ている。それなのになぜエクアドルに寄付をするのか――。フェアトレードの市民団体、チョコレボで広報を担当する小笠美佳さんは疑問を呈する。

ちなみにチョコレボでは500円の商品のうち200円もの額を寄付に充てる。その意気込みは素晴らしい。

企業のCSR活動は、裏が透けて見えれば興ざめだ。ましてや継続性や寄付先についての疑問を消費者から指摘されるようでは、ブランドに対する悪影響すら心配しなければならない。

それでもオルタナは、企業のCSR活動を今後も側面支援していきたい。やらない企業よりは遥かにましだからだ。

だが、市民や消費者らの意見も積極的に取り上げたい。それが良き企業市民が育っていくための最善の方法だと信じている。
posted by setsumo at 19:44| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月02日

鳩山さん、日本のアル・ゴアになれ!

鳩山首相が次期総選挙に出馬せず、事実上の引退宣言。

あのNYの国連演説、CO2の25%削減はなんだったのか。

初志貫徹して、民主党の環境政策を後方支援してほしい。

鳩山さん、日本のアル・ゴアになれ!
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2010年05月31日

資生堂は、女性たちの抗議行動にどう対処するのか

下記は、2010年5月30―31日ごろに、twitter で飛び交ったコメントである。まずは読んでみてほしい。

(以下、引用)
oyakatafuku RT @mahalo_tomo: 動物実験やめて!、と、資生堂さんにウルサク言うのは、資生堂さんならば、この悲惨な現実を変えていけると思うから。その力のないところには、アタックしません。どうか、動物たちに優しい企業になって下さい。 #ssat

meruko24 RT @vivi_happieta: 資生堂さん、正直ガッカリです。欧米の売上に配慮したから2013年動物実験廃止を目指されるのですね。日本人の反対運動は無視ですか。4万6千の署名は無視ですか。何より肝心の動物への配慮は置き去りですか… #ssat #pet #usagi

mini2065 そうだそうだ? RT @mahalo_tomo: 資生堂さん。あなたがどこまでマジで動物実験の全廃を目指しているのか伝わってこないです。イメージを損ねないためですか?命の尊厳をマジに考えたら、即全廃でしょう。どうか消費者をみくびらないで。 #ssat

chatonchaton RT @vegetarian_kei: 資生堂のシャンプー「TSUBAKI」はシリコンが入ってるんだって! 気持ち悪い!! シリコン塗って髪がツヤツヤ〜って喜んでる人はちょっと痛い。そして苦情対策に無慈悲な動物実験。売れれば良いの王道パターン。 #shiseido #cosmetic #ssat
(引用終わり)

彼女たちが、資生堂など日本の化粧品メーカーに対して糾弾しているのは、化粧品やシャンプーなどの「動物実験」である。これにより、大量のウサギやモルモットが使い捨てにされているからだ。

今回の抗議行動の中心的な存在は、「動物実験廃止を求める会」(JAVA)という市民団体だ。若い女性を中心とする一般市民も多く参加している。

JAVAのホームページを見ると一目瞭然だが、彼女たちの批判はストレートで、遠慮がない。「日本の消費者はおとなしい」という通説をひっくり返したくなるほど、直情的だ。

資生堂は、トップ企業であるがゆえに標的にされ、対応を迫られている。6月5日には、銀座でデモも計画されている。http://www.usagi-o-sukue.org/demo.html

資生堂は来年3月までに自社での動物実験をやめ、2013年3月までに外注も含めて全廃を目指すことを明らかにしたが、それでも女性たちは納得していない。

日本の消費者による、日本企業に対するこれほどまでに強烈な抗議行動は、近年では例がないのではないか。

今回、問題を難しくているのは、資生堂などによる動物実験は、明らかな日本の法令違反とまでは言えないことだ。

犯罪、法律・法令違反、偽装などであれば、迅速かつ適切に対応してきただろう。だが、今回はそのいずれにも当たらない。それなのに、消費者から厳しい指摘を受けているのだ。

しかし、資生堂の前田新造社長は明らかに対応を誤った。

2009年12月18日、JAVAの質問書に対する、前田社長による文書回答がその一例だ。

(以下、引用)
――弊社は、「お客さまに安心して有用な商品をお使いいただくこと」と「動物愛護」の両立を目指しており、化粧品については、商品の動物実験を実施しておりませんが、化粧品に使用される一部原料については、動物を使わない代替法がすべて確立されている訳ではなく、それらについては動物実験を含む安全性試験が法規により求められております。
このような状況から、今回の「2009年中にすべて廃止」というご要望にお応えすることはできませんが、弊社のホームページ等で公開していますように、今後度も、産官学の連携のもと、代替法の開発による「動物実験全廃」に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。(引用終わり)

これでは、「木で鼻をくくったような文章」と言われても仕方がない。

この文面からは「当社だけが動物実験をしているのではない、日本の役所が動かないから当社も動かないのだ」という潜在意識が透けて見える。

また、「法令に違反していないのに、一消費者グループからの要求に折れると、次々に消費者から要求されかねない」という強迫観念も推測される。

そして、下記のような紋切り型の回答を繰り返してしまった。

Q1 :貴社資生堂並びに系列会社において、化粧品開発に際して、過去3年間に行った動物実験の種類およびそれに使用した実験動物数を実験動物種毎にお答えください。
というJAVAの質問に対して――
A :「回答できない」。回答することにより、弊社の動物愛護の精神や、製品の安全性に対する考え方が正しく伝わらないと判断しますので、回答は差し控えさせて頂きます(2009年2月25日付、資生堂の回答)。

このような誠意がない対応に対して、消費者たちの怒りがさらに増幅した。

化粧品の動物実験については、欧州がいち早く対応し、すでに動物実験の全面禁止を打ち出した。同様の対応に踏み切れない日本政府の対応も責められるべきだが、企業がそこに安住していると、消費者から思わぬ批判を受けることを、一連の騒動が物語る。

以上を考慮すると、資生堂には次のような対応が求められるだろう。

1)日本の法令や行政指導にかかわらず、資生堂が一刻も早くすべての動物実験を廃止することを表明すること。

2)他の企業や取引会社にも働きかけるなどし、化粧品業界のトップである矜持を内外に見せること。

3)消費者グループや市民団体に対して、経営者が常に胸襟を開き、対話する姿勢であることを見せること。

6月5日のデモは、ひょっとすると小さな市民団体が大企業を動かす、先進的な事例になる可能性を秘めている。それだけの「うねり」を感じさせる。

JAVAのホームページでは、資生堂だけではなく、資生堂のCMに出演している女優たちや、株主たちの姿勢を問う記述まである。海外ではよくある手法だが、これが日本で見られ始めたことは興味深い。

これまで、日本企業は「おとなしい消費者」に甘やかされてきた一面があった。

しかし、日本企業がひとたび外に出ると、米国でも、欧州でも、中国でも、消費者の厳しい視線や抗議行動にさらされる。今回の事例は、むしろ日本企業の目を覚まさせる好例になるかも知れない。

米国でも欧州でもNPOや消費者団体からの「圧力」が、大企業の環境政策、CSR政策に大きく反映してきた。日本でも、そういう時代がようやく近づいてきた。

一つだけ間違いなく言えるのは、もし資生堂が「英断」に踏み切ったら、女性たちに高く評価され、それはブランドの新たな飛躍につながるということである。





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2010年05月30日

J&Jもボディショップも、ケーズデンキも「株主より社員が大事」

前回のコラムで、ザ・ボディ・ショップの創業者アニータ・ロディックが「ステークホルダー」という言葉をつくったことを書いた。

アニータは、同社のステークホルダーとして社員、顧客、取引先、会社・お店が存在するコミュニテイ、コミュニテイで活躍するNPO、株主を挙げ、その順番に大事であるとした。

つまり、社員は何よりも大切なステークホルダーであり、顧客や取引先よりも大事だというのだ。

株主は、最後だ。

単なる偶然か、必然なのか分からないが、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も、ほぼ同じである。

J&Jの「我が信条」(CREDO)は、経営学の授業でも良く出てくる、有名な文章だ。その「我が信条」は下記の通り、「四つの責任」を明らかにしている。

第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、(中略)そしてすべての顧客に対するものであると確信する。

第二の責任は全社員に対するものである。

第三の責任は、我々が生活し、働いている地域社会、更には全世界の共同社会に対するものである。

我々の第四の、そして最後の責任は、会社の株主に対するものである。

J&Jによると、この「四つの責任」の重さはその順番通りになっているそうだ。製品と顧客が何より大事で、その次は社員。そして地域社会。

J&Jも株主が最後だ。

「我が信条」を起草したのは、J&JのCEOを31年間も務めたロバート・ウッド・ジョンソンJr。

1943年に初めて取締役会で発表した時、「株式公開企業になるのだから、株主を最後にするのはおかしいという意見があったという。

しかし「顧客第一で考え行動し、残りの責任をこの順序通り果たしてゆけば、株主への責任は自ずと果たせるというのが、正しいビジネス論理だ」と切り返したそうだ。

こう書いていて、20年以上近くの新聞記者時代、家電業界の担当をしていたころの取材を思い出した。

家電量販店大手ケーズデンキ(当時はカトーデンキ)の加藤修一社長もこう語っていた。

「お客さまは神様です、というけれど、それは違います。お客さまより社員が大事です。なぜなら、社員が幸せでなければお客さんを幸せにできるわけがありません」

また、ある東証一部上場企業の幹部は、オルタナとのインタビューで次のように語っていた。もしステークホルダーの中で順番を付けるとすると@株主A従業員B顧客――です。

あらゆるステークホルダーの中で、誰が最も大事なのか、その順番付けはどうか。

この命題には、一つの明確の答えはないのだろう。だが、「誰を最も大切にするか」という問いに対する答えは、まさに会社の経営者の考え方を反映したものであり、企業の理念が伝わってくる。

皆さんの会社ではどうだろうか。





posted by setsumo at 16:26| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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