2010年06月27日

企業のCSR――寄付の額や率を明かさないのは不誠実だ

これまで、いろいろな企業のCSR活動を見てきた。その中で、コーズマーケティングと呼ばれる活動も目立ってきた。

コーズマーケティングとは何か。おさらいしてみよう。

(以下、WISDOMビジネス用語辞典から引用)
企業の社会問題や環境問題などへの積極的な取り組みを対外的にアピールすることで顧客の興味を喚起し、利益の獲得を目指すマーケティング手法。社会的貢献とビジネス目標の達成を同時に実現しようという考え方。別名「コーズリレーティッドマーケティング」とも呼ばれ、米国アメリカンエクスプレス社が展開した「自由の女神修復キャンペーン」(クレジットカード利用1回ごとに、1セントを寄付するもの)が起源とされる。近年では、乳がんの早期発見、早期診断、早期治療の重要性を訴えるピンクリボン活動への支援を表明する企業が、自社の商品をピンクに彩り、それが驚異的な売上を記録するといった成功例がある。コーズマーケティングは、最終的に顧客ニーズを満たし利益を上げることに主軸を置いており、この点で、社会にとっての利益を考慮して活動すべきとする社会志向のマーケティング(ソーシャルマーケティング)とは区別される。(引用終わり)
  
コーズマーケティング的なものも、そうではないものにしても、最近の社会貢献活動の中には、「売上高の一部を寄付します」という表現が目立つ。

だが、寄付の額を明かさないのは、消費者や市民から見れば、不誠実のそしりを免れない。

有名なボルビックの 1L for 10Lにしても、1本あたりの寄付の額や、売上高に占める割合を明らかにしていない。

当然、ユーザーの中には不信感が芽生えている。あるブログにはこんな書き込みがあった。
http://zarutoro.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_0135.html

(以下引用)
正確な数字を出すために、ボルヴィックの活動報告から数字を拾ってみる。「マリ共和国に生まれる水の量は約7億1200万リットル」
これを10で割ればボルヴィックがどれだけの量売れたか分かる。
「ダノンからの寄付金は約4200万円」
これをボルヴィックの販売量で割ると、ボルヴィック1リットルあたりの寄付金の額が分かる。

計算してみると、ボルヴィック1リットルあたりの寄付金は、58銭9分ぐらい(あってますか?)。
1.5リットルのボトルを買うと、1円弱が寄付される計算になる。
ボトル1本あたりの店頭価格は200円弱ぐらいなので、金額ベースだと0.5%ぐらい。
なんか思ったよりも少ない感じがしないだろうか。
1リットルで10リットルって言うと、景気いい感じがするけどね。
数字の見せ方がうまいって言うのかな。(引用終わり)

また、ボルビックのサイトにも、下記のFAQの記述があった。
http://www.volvic.co.jp/csr/1lfor10l/faq_index.html

Q:リットル表示ではなく、なぜ1ボトルあたりの寄付金の額を公表しないのですか?

A:本プログラムは、消費者に対してアフリカの水と衛生に関する問題への関心と理解を高めることも目標の一つです。支援プロジェクトでは、清潔で安全な水を提供するほか、水と衛生に関する教育、井戸のメンテナンスやトレーニングなどが含まれており、1Lあたりの支援額を算出することは適切でないと考えています。ドイツ・フランスでのプログラムと同様に、 消費者の皆様にプログラムに参加頂いた際の貢献が明確に理解いただけるように、「1L for 10L」プログラムという形で、皆さんにお伝えすることにしました。

この回答はやはり、苦しい。
水と衛生に関する教育、井戸のメンテナンスやトレーニングなどを入れた寄付額を発表すれば良いだけだ。それが非公表の理由には絶対にならない。(あるいは、上記の額を抜いた金額でも良い)

企業のCSRにしろ、コーズマーケティングにしろ、市民や消費者の共感や善意、問題意識なしには成立しない。

そして、市民や消費者が不誠実と感じた瞬間、企業に対する共感が反感に転じる。これはとても怖いことだ。

いずれにしても、企業が寄付や社会貢献活動、コーズマーケティングをする場合、寄付の額や売上高に占める割合を明らかにすることは、企業が誠実であるための最低限の必要条件である。

また、批判を受けたからといって、その活動から撤退するのはさらに問題を大きくしかねない。助けを必要とする人たちが置き去りにされかねないからだ。












posted by setsumo at 18:27| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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