2010年06月16日

マイ箸やマイバッグの次は――。国の制度づくりが大事。

一昨日、J−Castの大森千明編集長が僕のところ(オルタナ編集部)に取材に来られた。

地球温暖化対策の一環として、個人や家庭部門として何ができるかというテーマだった。

J−Castにはそのうち記事が載ると思うが、その前に、自分自身のアタマを整理するうえでも、一昨日何を答えたかをまとめておきたい。

僕の基本的な考えは「国の温暖化対策を個人の良心や精神運動に委ねてはいけない」である。

確かに日本のCO2排出量のうち、家庭部門は14%程度を占める。だから家庭部門が頑張らないとCO2の目標は達成できない、という論理を良く目にする。

これは明らかな誤りだ。

なぜなら、国民は国に対してCO2削減の義務を負ってはいないからだ。家庭部門のCO2削減は、個々人の良心に委ねるべきではない。

よくマイ箸やマイバッグの次は――という問いがあるが、精神運動ではCO2は減らないと思う。

もちろん、マイ箸やマイバッグの精神は崇高な存在であり、否定するものではない。僕も実践している。

ただ、CO2削減が目的であるなら、国民の金銭的なモチベーションを利用する仕組みのほうが遥かに効果的だ。

例えば、家庭ゴミ収集の有料化がある。

オルタナ6号「不毛なゴミ論争、もう止めよう」でも紹介したが、全国1840市区町村のうち、収集を有料化したのは53%の973団体。政令指定都市では北九州、福岡、京都の3市だけである。(ただし06年10月現在と数字は少々古いので今はもう少し増えているだろう)

ゴミが有料になれば、ゴミを減らそうと思うのが人の常である。(リバウンド効果というのもあるが)

あるいは、お隣韓国の「一回用品(使い捨て商品)禁止法」のように、使い捨てを法律で禁じるのも一手だ。

来年度から日本でも導入準備が進んでいる「地球温暖化対策税」にも期待したい。

これは別名「炭素税」であり、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料に含まれる炭素の量を基準に課税される。

これにより、おのずから家庭のコスト意識が高まる。太陽光発電、太陽熱利用、燃料電池などは今まで初期投資の高さが足かせだったが、エネルギー単価が上がればあがるほど、投資回収期間は短くなる。

いずれにしても、省エネで頑張った企業や家庭が報われ、そうでない企業や家庭は多くを支払う。そんな仕組みが大切だ。ちなみに、ドイツや英国では、環境税収は年金や福祉にも充てられている。低所得者の保護策だ。

残念ながら日本での環境税予定税率は、欧州の先進国に比べて遥かに低いが、それでも導入することに意味がある。

2008年の「第三次石油ショック」(ブラウン英元首相)が再来すれば、企業や家庭は、否が応でも、今まで以上の省エネに励まなければならない。

ガソリンが1リットル300円になれば、省エネどころではなく、経済活動や個人行動そのものの見直しも必要になってくる。

CO2の削減、脱化石燃料は、地球温暖化のためだけではなく、来るべき「ピークオイル」(石油資源の枯渇)に備えるという、米国でも欧州でもとっくに始まっている、当たり前の防衛行動に過ぎない。








posted by setsumo at 19:09| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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