2010年04月09日

マイ箸・プラスチック箸では森を守れない

オルタナ最新号(18号、3月末全国発売)から、
田中淳夫さんの新連載「森を守れ」が森を殺す――が
始まりました。

銀座ミツバチプロジェクトに同姓同名の方(株式会社紙パルプ会館常務)がおられますが、こちらの田中淳夫さんは、筋金入りの森林ジャーナリストです。

静岡大学農学部林学科を卒業後、新聞社勤務などを経て、現在、奈良県生駒市在住です。

「森を守れ」が森を殺す――は、新潮OH!文庫にもなった同名の単行本(洋泉社)のタイトルを復活して頂きました。

その第一回目の見出しは、「プラスチック箸では、森を守れない」。
田中氏はこの原稿で「マイ箸でも森を守れない」とも書きました。

エコに関心が高い人にとってマイ箸は、マイバッグ、マイボトルなどとともに「三種の神器」のようなものです。これに異議を唱えるのですから、オルタナ編集長としても、ちょっと勇気が要りました。

早速、ある読者の方からメールが来ました。

「マイ箸を使っている人は環境意識の高い方です。割り箸の実態をきちんと伝えることは大切ですが、過度の表現などでモチベーションを下げるような文面はいかがなものでしょう?少なくとも私にはそのように受け取れました」

さて、ここから先は森が代わりにご説明しましょう。

田中氏の論調は、下記の通りです。

中国の木材需要に占める割り箸になる木材量は、わずか0.1%以下。割り箸が森林を破壊しているとは全く言い難い。むしろ、国産箸を使うことで、日本の木材生産者にお金が入り、それによって間伐が進み、森が整備されるという好循環が期待できる。

つまり、日本の木をできるだけ使ってあげることが、日本の林業の活性化につながるのです。

マイ箸やプラ箸では、日本の木材生産者は恩恵に預かれません。

もちろん、割り箸は使い捨てになるので、ゴミ削減の観点から抵抗がある人も多いと思います。

でも、割り箸をリサイクル回収し、オガクズの堆肥にするプロジェクト(和RE箸大作戦)も始まりました。
http://www.eco-plaza.net/re/

割り箸を洗って、何度か使えば環境負荷も減ります。

割り箸から炭を作ることもできます。
http://d.hatena.ne.jp/kanjuku107/20080422

要は、工夫次第です。

何より困るのは、マイ箸、プラ箸を使うことで、「これは環境に良いのだ」と思考停止してしまうことだと思います。

メールを頂いた読者の方のご指摘通り、マイ箸を使う人は環境意識が高い方です。

そのような方をあげつらう意図は全くありません。

でも、マイ箸を使うことだけで満足してほしくないのです。

マイ箸を持っていても、出てきた割り箸が国産であることが分かれば、ぜひそれを使ってあげてください。

そして、割り箸が何から作られているのか、森林の有効利用とは何か、を是非、考えてみてください。

ちなみに、割り箸は間伐材から作られる――という通説も、実は間違いです。

割り箸は一般的に、もっと径が大きい成木の端材(中心の角材を取った後に残る、半月上の断面を持つ部分)から作られます。

マイ箸を買って、そこで思考停止するのではなく、たまには割り箸を使って、この箸はどこから来たのか、ぜひ思いを馳せてみて下さい。

田中氏の「森を守れ」が森を殺す(新潮OH!文庫,ただし絶版)は必読の一冊です。森はCO2を吸収しない――など、目からウロコの話がたくさん出てきます。
























posted by setsumo at 18:29| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
国産の割り箸が良いのは納得なんですが、実際問題、どのくらいの国産が出回っているのか、コストは中国産に比べてどうなのか,が気になります。わたみのような大きな外食チェーンで,安定的に国産割り箸を消費できるようになればいいなと思いました。環境問題の多くはコストがネックになる事が多いので、規模の経済が期待できる企業に率先してほしいな、と思いました。
Posted by 五十嵐 由美 at 2010年05月19日 23:32
ざっくり言うと、中国製の箸が1円以下で、国産が5円くらいでしょうか。もっと高い国産箸もあります。
個人的な意見ですが、割り箸も、レジ袋のように有料化すれば良いのでないでしょうか。お店が5円を負担したくないから国産の割り箸が普及しないのだと思います。
割り箸を5円で買いたくない人はマイ箸を使えばよいのです。
Posted by 森 摂 at 2010年05月20日 21:25
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