2009年10月20日

「CO2の25%削減」の可能性を論じ合う前に必要なこと

環境と社会貢献と「志」のビジネス情報誌「オルタナ」次号16号は
無事、先週校了し、現在印刷工程にあります。
全国の書店では10月27日に発売され、定期購読の方にも同じころ
ご自宅に届く予定です。どうかお楽しみに。
(オルタナのご購入はこちら
 →オルタナオンラインショップアマゾン富士山マガジンサービス
 *予約はアマゾンで可能です)

今号の第一特集は「グリーン革命が始まった
 ――CO2 25%削減は日本のチャンス」 と題して、鳩山首相が
国際公約した25%削減は、日本が低炭素化社会、持続可能な社会に
大きく舵を切るためのチャンスであり、企業にとっても、国際競争力を
つけるためにもデメリットよりメリットの方が大きい――という論調を
展開しています。

特集の中では、
西岡秀三・国立環境研究所特別客員研究員、
浅岡美恵・気候ネットワーク代表、
福山哲郎・外務副大臣(参議院議員)、
谷達雄・リコー理事・技師長・社会環境本部本部長――の各氏に
寄稿や取材対応をして頂きました。改めて御礼申し上げます。

鳩山首相の25%削減宣言については、いまだ産業界を中心に
「企業や家庭のコストが増え、景気回復の妨げになる」
「特に企業はこれまでにも温暖化対策に取り組んでおり、
これ以上の削減は無理」
「目標を達成できなかった場合、国や国民の負担は膨大である」
――などとの批判が起こっています。

前回の編集長メール「CO2の25%削減で家庭の可処分所得が
年間36万円減る」はウソ――に対しても、私の日本経済新聞時代の
先輩記者Iさんや、立命館大学の学生K君、そのほかたくさんの方から
批判や質問のメールを頂きました。

その方たちの意見の多くを集約すると結局、「25%削減できるのか、
できなかったらどうするのか」という命題に落ち着きます。

僕も鳩山宣言以来、常にこの命題について考え続け、
悩んできました。その結論は、下記の通りです。

――25%削減が達成できるかどうかは、政府による環境政策の
制度設計にすべてかかっている。つまり、設計次第で、できるかも
知れないし、できないかもしれない。
むしろ、できるできないかを論じ合う前に、
「日本が将来、どんな国になるべきなのか」を皆で考えるのが
先ではないだろうか――

自動車メーカーや鉄鋼業のCO2排出量が08年度、景気後退によって
大幅に減少したことは16日の日本経済新聞で大きく取り上げられました。
しかし、景気後退によるCO2削減は「あるべき姿」ではないはずです。

日本の経済社会が、かつての高度成長ではない健全な成長を遂げ、
多くの社会問題を解決し、国民が豊かさを実感できるような社会が
求められています。そのためには「持続可能な社会」を目指すことが
不可欠です。

今までのようにコンクリートと鉄で箱モノや高速道路、ダムを作り続けるの
ではなく、第一次産業や自然エネルギー、環境の先進技術、社会問題の
解決などにヒト・モノ・カネを投入すべきでしょう。

そしてその過程で、日本が2020年までに25%の削減に向けてのロードマップを
世界に提示できれば、日本は他国から尊敬され、手本になり、国際競争力も
高められます。昨年取材した、スウェーデンのカールグレーン環境相も
「スウェーデンの戦略は、環境と経済を両立させること」と話していました。

鳩山首相の国連演説は、日本の首相が国際政治の場で喝采を浴びた
例としては、本当に久しぶりです。彼の発言はまだ、「仏をつくって魂を
入れず」なのかも知れません。しかし、その魂は、私たち一人ひとりが
つくり上げて考えていくべきなのではないでしょうか。

■オルタナ編集長 お勧めイベント
1)サティシュ・クマールさん講演@京都 11月11日 18:30-
  『地球巡礼ー平和と健康を取り戻す新しい生き方ー』 前売り1000円
  http://blog.goo.ne.jp/yrs-t103/e/bd4233cda31a8a131cadd0b9f5e6f08e
2)枝廣淳子さんの講演@追手門学院大学 11月14日 13:30-15:30
  「持続可能な経済社会の構築をめざして」 入場無料
  http://www.otemon.ac.jp/chair/news.php?id=579
3)GREEN STYLE フォーラム 明日10月20日午後7時〜 入場無料
  @城西国際大学ビジネスデザイン研究科(紀尾井町)
  オルタナ編集長・森 摂「政権交代がもたらすビジネス変革を読み解く」
  http://e-greenstyle.net/GSforum/
4)東京工業大学ノンプロフィットマネジメントコース公開講座(全5回)
  「Change the World ―日本の社会起業家が語る社会イノベーション―」
  平成21年11月5日(木)〜12月17日(木) 木曜夜 毎回18:30〜
    http://www.soc.titech.ac.jp/~soc-entre/  受講料無料
5)環境経営学会から 環境研究公募に関するお知らせ
    http://www.env.go.jp/policy/tech/koubo.html

いつもながらの長文、失礼致しました。


オルタナ編集長メルマガの趣旨に賛同頂けましたら、
ご同僚やご友人に是非、お勧め下さい。メルマガ登録はこちら
⇒ http://www.alterna.co.jp/meruma/index.html
10人以上勧めていただいた方(自己申告)には、オルタナ特製
「オルタナシール」をお送りします。パソコンのALTキーに貼る、
可愛いシールです。

どうぞよろしくお願い致します。

オルタナ編集長森摂

********************************************************************************
環境とCSRと「志」のビジネス情報誌オルタナ環境とCSRと「志」のビジネス情報誌 「オルタナ」
・・・オンラインショップはこちら

********************************************************************************
posted by setsumo at 17:23| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TFMで放送されている「クロノス・モーニングカレッジ」を拝聴しました。
とても興味深い内容でしたので、本日拙ブログにてエントリさせていただきました。

「日本の技術が、世界の標準となる」と考えれば、ビジネス規模も大きく、とても魅力的な市場になると思います。
本腰を入れて、企業は取り組む時機だと思いますね。


Posted by 日々是マーケティング at 2009年10月26日 15:34
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/130751575

この記事へのトラックバック

■11月は社会起業を京都で学ぼう!
Excerpt:  『社会起業家に学べ!』(アスキー新書)の著者である不肖・今一生、11月に京都の山奥の廃校を再利用した社会起業スクールで講師を務めます...
Weblog: ■Social Good News 君は弱者と同じ世界に生きている
Tracked: 2009-11-05 12:40
********************************************************************************
環境とCSRと「志」のビジネス情報誌オルタナ環境とCSRと「志」のビジネス情報誌
・・・オンラインショップはこちら

********************************************************************************
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。