2009年05月09日

人口危機を放置していては 「持続可能な社会」はあり得ない

このゴールデンウイーク中、気になったニュースがありました。

5月4日に総務省が発表した「子どもの数、25年連続減 1747万人、人口比最低」
です。

同省が4日まとめた人口推計によると、4月1日現在の子ども(15歳未満)の数は1747万人で、前年より18万人減りました。82年から25年連続の減少です。

総人口に占める子どもの割合も32年続けて低下し、13.7%と過去最低を更新しました。

これまで僕はよくブログで「2050年」の話題を書いてきましたが、
その2050年、日本の人口はどうなっているのでしょうか。

国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」によると、
日本の人口は2050年、9515万人と見込まれています。

41年間で3224万人減るということは、1年平均で78万人。
堺市の人口が78.9万人なので、毎年毎年、堺市と同じ人口が、
この日本から消えていく計算になります。

さらに問題なのは人口の世代構成です。
09年は0〜14歳が13%、15〜64歳が64%、65歳以上が23%なのに対し、
2050年は0〜14歳が9%、15〜64歳が52%、65歳以上が40%と見込まれます。

そのころの現役世代には過大な税や、社会保障の負担がのしかかるのです。

僕はこれまでにもいろいろな方と議論してきましたが、
「日本は人口が多すぎる。欧州諸国はその半分でも経済が成り立っている」
「人口が減ったほうがゆとりが生まれる。むしろ理想的な社会かもしれない」
などという意見を多く耳にしてきました。

「オルタナ編集長なのに成長主義ですか?」と言われたこともありました。

僕は高度成長ではなく、GDPで1―2%程度の緩い経済成長は
どの国にも必要だと考えています。そのためには、少なくとも
人口を概ね現在の水準を保たなければならないと考えます。

その理由は、少子高齢化で人口が減少して国が栄えた例は、
これまでの歴史上、一つもないはずだからです。(あったら教えてください)

以前、堺屋太一さんが、ローマ帝国では14世紀のペスト(黒死病)蔓延で人口が一気に半分近くになったが、その後、ルネッサンスの機運が生まれ、国が栄えた、と主張されたことがありました。
(今も同じ主張をされているか、分かりませんが)

しかし、これはペストだからまだ良かったのです。この時のローマ帝国は人口は半分になっても、人口構成は変わりませんでした。むしろ、抵抗力が高い若者や若年層が多く生き残ったと推測されます。
今の日本はこれとは逆で、高齢者の比率がどんどん増えているのです。

人口減少を放置すれば、これからの日本は永遠の「右肩下がり」が
始まります。今まで「景気は循環するもの」という観念がありましたが、その景気循環すらなくなる可能性すら感じます。
世界的な不況が底を打っても、日本に「底打ち」が来るかどうかは分かりません。

日本経済新聞の社説「チェンジ!少子化」(5月4日)でも、
「人口の減少は消費者、生産者、納税者の減少と同義であり、
中長期で日本経済の成長力を阻む」と指摘しています。

人口減少を食い止めるためには、国の支出を出産、育児、教育、医療に重点配分して、出生率を政策的に向上させしかありません。これまで日本の社会保障の支出先は7割が高齢者であり、これは国際的に見ても非常に高い配分になっています。

そして、途上国からの労働者や移民についても、スムーズに受け入れや定着が進むように、法整備を急ぐべきだと考えます。

「日本にとっての新しい活力」である彼らを「責任を持って」受け入れることは、技術移転や資金移転などを通じて、途上国の経済社会にも貢献するはずです。

フランスの思想家ジャック・アタリ氏も、今年1月、朝日新聞グローブの取材に対して、下記のような衝撃的な発言をしています。

「日本の最大の弱みは人口だ。移民を拒んだことによって引き起こされる恐ろしいほどの国内の高齢化と人口減少は、大きな問題となるだろう」
http://globe.asahi.com/meetsjapan/090112/01_02.html

「人口が減ってもなんとかなるのではないか」という
「根拠なき楽観論」は、次世代に対して、あまりにも無責任です。

現在の人口をキープした上で、より持続的な社会のあり方を考えていくべきです。なかでも、東京への一極集中の是正、第一次産業(農林水産業)の復活、環境への取り組みを通じた企業競争力の強化、自然エネルギーの活動などが大きな課題になってくるはずです。

今後のオルタナでは、環境面でも経済社会でも「2050年にあるべき姿」がより重要なテーマになっていきます。その中で、いつか、「人口危機」についての特集も組んでいきたいと考えています。

もちろん、僕の持論だけが正しいと考えているわけではありません。
皆さんの前向きな議論も、この機会に是非お聞きしたいと考えています。

皆さんも、よろしければコメントを書き込んでください。
(できるだけ実名でお願いします)
では、オルタナ次号もどうかご期待下さい!

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